日本生態系協会

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グランドデザイン総合研究所

設立にあたって

ごあいさつ

日本の国民は「これまでの暮らしを続けていくことができるのだろうか」という将来への漠然とした不安をもっています。そして、この不安は、遠からず現実のものになろうとしています。

たとえば、私たちは資源やエネルギー、食料の供給源である自然の許容範囲内でしか持続的に暮らしていくことはできません。ところが、世界中の人が日本人と同じ暮らしをすれば、地球があと1個半必要と言われるように、すでに私たちの暮らしの水準は、自然の許容範囲を越えたところにあります。

今後さらに続く世界人口の増加や石油などの地下資源を採掘できる量の減少を考えると、食料や地下資源を輸入に頼っているわが国においては、今までの暮らしを続けることができなくなることは明らかです。

また、平成15年度末のわが国の借金(国と地方の長期債務)は約686兆円になる見込みです。この額を国民で分配すると、実に一人あたり約540万円、4人家族では約2,161万円の借金を抱えている計算になります。今後、日本の人口は減少すると予測されており、一人あたりの負担額は更に増えていきます。将来世代へつけを回すことによって豊かさを求めるこれまでの方法は、破綻するときがやってきます。

20世紀は右肩上がりの成長と物質的な豊かさを追い求めてきました。しかし、その結果は必ずしも人々の心を満たすものではありませんでした。多くの人々が「もののあふれる私たちの暮らしは本当に豊かなのだろうか」と疑問をもち、「ものの豊かさから心の豊かさ」へ転換が求められるようになっています。

将来への不安がなく、心の豊かさを感じ、持続する社会。その実現にはこれまでのまちづくりや暮らしのありかたを長期的な展望を持って方向転換していくことが必要とされています。世界ではすでにこうしたまちづくりがはじまっています。

わが国においても、これまでの暮らしの限界や人口減少といった日本の将来が見えはじめた今こそ、50年先、100年先を見据えてグランドデザインを描き、住民が自信を持ち、こどもたちが輝く持続的な地域づくりを始めることが必要とされています。

今、日本では――
わが国が戦後に歩んできた道、そして今後直面する課題

人口問題

世界人口は、今後、発展途上国を中心として、爆発的な増加が予測されています。それとは対照的に、日本人口は現在をピークとして今後、減少の一途をたどります。同時に高齢化が進み、投資余力の減少や高齢者の扶養費の増大する時代を迎えます。

地下資源

私たちの暮らしを支えている地下資源は、すでに埋蔵量の限界が見えていますが、世界人口の増加、世界経済の発展に伴い、これまでのように地下資源を使えなくなる時がやってきます。

食料自給率

わが国は、国土の土台である農地を毎年3万ヘクタールも失い、食糧自給率は40%まで下がっています。周囲を海に囲まれ森林が国土の約67%を占めているにも関わらず、魚介類自給率は60%を木材自給率は20%を下回り、日本人の暮らしは海外からの輸入に頼っています。

彷徨う日本経済・物質的豊かさの限界

日本は、戦後50年で急激に人口を増加させるとともに、脅威の経済成長をとげ、国内総生産(GDP)は500兆円を超え世界有数の経済大国になりました。

日本各地に一極集中の都市を形成し、その都市の生活を守り支えるために、山奥にはダムを、また都市と都市を結ぶ自動車道路、港湾、空港を整備してきました。しかし、この右肩上がりの発展は、もはや限界がきています。

現在、日本が抱えている借金(国と地方の長期債務)は、約686兆円になる見込みです。この額を国民で分配すると、一人あたり約540万円、4人家族では約2,161万円の借金を抱えている計算になります。

今、世界では――
世界で始まっている、持続的に発展し住民が輝くまちづくり

世界では、自然や限りある資源を守りながら、心豊かに暮らすための持続的なまちづくりが始まっています。

アメリカでは…スマートグロース

アメリカでは、1980年代後半から、都市の無秩序な拡大を抑制し、持続可能で、人と人との触れあいのあるまちづくりを目指す『スマートグロース(賢い成長)』が始められています。

ヨーロッパでは…コンパクトシティ

地球環境問題の深刻化に伴い、欧州諸国では“持続可能な開発”がまちづくりの 大きなテーマとなっています。コンパクトシティは、明確な都市理念を持って開発をコントロールすることによって、これを実現しようとする試みです。

こうした新しいまちづくりには

  • 人類の生存基盤である自然を守る。
  • 食料供給の場である農地を守る。
  • 人と人とのふれあいのある地域社会を大切にする。
  • 公共交通や徒歩、自転車で利用しやすいまちにする。
  • 公共投資を効率的に行う。
  • 歴史や地域の文化を大切にする。
  • まちの中心部に活気を取り戻す。
  • エネルギー効率を高め、環境負荷を減らす。

などの共通点があります。これからわが国が直面すると予想される、食料や資源の不足、人口減少、施設の維持管理費の増大などを視野に入れながら、心豊かに住み続けるためのまちづくりが、世界では始められています。

上記の文章は、2005(平成17)年1月に発行したグランドデザイン総合研究所のパンフレットに掲載したものです。

お問い合わせ

(公財)日本生態系協会 グランドデザイン総合研究所
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-30-20 音羽ビル
tel.03-5951-0244  fax.03-5951-2974
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